となりの日本家屋がスマートホームなわけがない

築70年の日本家屋を文化的に過ごすため、今流行りのスマートホーム化を施工した記憶領域。

玄関の引き戸にスマートキーを取付け(引き戸改造編)

今回から数回に分けて、玄関の鍵にスマートキーを取り付けます。

 

このブログのタイトルにもなっているように、築70年を超える日本家屋の玄関扉は、引き戸のご家庭が多いと思います。

うちの家の玄関も同じで、YKK AP製の引き戸が設置されています。この引き戸にスマートキーをどうにかして取り付けられないかを苦心した結果を御覧ください。

  

まずは引き戸を改造して、スマートキーを取り付けられるようにします。

 

[目次]

   

引き戸とスマートキーの関係についての考察

引き戸用のスマートキーとしてAmazonなどの通販サイトで購入できるのは下記がありました。

globalepic.co.jp

これは通称「戸先錠」といって、引き戸本体に固定した本体と、引き戸枠や家の柱に取り付けたフックとを施錠・解錠するタイプのものです。

 

お値段はアマゾンで3万円弱。

 

この鍵に対する個人的な評価ですが、この鍵一つで既存の引き戸を改造してスマートキー化できるのは魅力的です。

しかし、上記の公式ホームページを見る限りでは、この鍵の故障時に解錠する手段に言及されていません。

従って、この鍵を取り付けた引き戸とは別に裏口扉の鍵を持ち歩くなど、室内に入るためのバックアップを考えておく必要があると感じました。

 

以上より、スマートキーの故障時にも動作する鍵、つまり停電時や駆動部の故障時でも動作することを最優先の目的とし、その鍵にあと付けでスマートキーを取り付ける方法を考えることにします。

 

購入したもの

前項の評価を基に今回購入したのは「太幸 デジタルロック ぷちプチシリーズ P-700」です。

 

 詳しくは下記の公式ホームページを参照してもらうとして、私が選んだポイントは次の通り。

  • 既設の扉の鍵と交換可能
  • 電源不要
  • サムターンが付いている

 

つまり、これを取り付けることで、引き戸をサムターン付きの引き戸に改造できる。そしてサムターンに後付のスマートキーを取り付けることで、スマートキー対応の引き戸が出来上がるという寸法です。

幸いにして今の家は借家ではないので、玄関の引き戸は無許可で改造ができますし、引き戸が壊れても鍵がかからなくなるくらいの影響しかありません。

よって、この鍵を購入し、なんとか取り付けてみます。

 

www.k-taiko.com

 

引き戸の改造前の姿

まず、改造前の引き戸がどういったものかを簡単に御覧ください。

    1. 全景です。よくある田舎の玄関ですね。

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      図1.全景
    2. 中央の鍵です。正式名称は「召し合わせ錠」と言って、引き戸によく使われるタイプの鍵です。
      この鍵をサムターン化できるような後付の鍵を見つけることができなかったので、今回は別の鍵を改造します。
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      図2.中央の鍵
    3. 引き戸と引き戸の枠を施錠するための鍵です。正式名称は「戸先錠」と言います。
      中央の召し合わせ錠は2枚の扉を貫通して施錠する必要がありますが、これだと1枚の扉だけ加工すれば、取り付けることができそうです。
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      図3.戸先錠 
    4. 戸先錠の扉と扉枠を連結するかんぬき部も参考に載せておきます。
      図4の左が扉側で、右が扉枠側です。
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      図4.戸先錠のかんぬき部

 

太幸 デジタルロック ぷちプチシリーズ P-700

今回購入したデジタルロックです。 

    1. 箱の外観を一応。
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      図5.箱の外観
    2. 箱の中身はこのような感じです。

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      図6.箱の中身
    3. 並べるとこんな感じです。これに説明書が付いています。

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      図7.内容物
    4. 付属しているスペーサーを並べるとこのような感じ。厚さの違う3種類を組み合わすことができます。
      スペーサーは、鍵本体とかんぬき受け用の2種類があるので、切り離して使用します。
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      図8.スペーサー
    5. 鍵とかんぬきを並べたところです。これを今から扉と枠に組み付けていきます。
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      図9.鍵とかんぬき


戸先錠の改造

それでは改造の記録を御覧ください。

    1. まずはじめに、取り外す戸先錠の上に新しい鍵を重ねて、取り付け位置を確認します。
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      図10.既設の戸先錠と新しい鍵
    2. 戸先錠を取り外します。作業にはプラスドライバーがあればOKです。
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      図11.戸先錠の取り外し
    3. 取り外した鍵の場所に、新しい鍵を合わせてみます。位置的にはうまく取り付けられそうです。
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      図12.新しい鍵の位置合わせ


    4. しかしそのままでは引き戸と鍵本体の間に隙間が空くことが判明。
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      図13.新しい鍵の隙間
    5. 隙間を埋めるために、スペーサーを加工します。
      新しい鍵に付属していたスペーサーに含め、家にあったスペーサーも合わせて隙間を埋めるのにちょうどいいものを選びます(写真左)。
      ちなみに、引き戸の表と裏の2枚必要です。
      また、どうしてもサイズが合わないので、ホームセンターでライナー金具を買ってきました(写真中央の左)。
      ライナーもそのままでは鍵の軸に干渉するため、一部をヤスリで削り落としました(写真右)。
      念の為、ヤスリを掛けた場所にはサビを防ぐため、黒色ペイントを塗っておきます。
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      図14.スペーサーの加工
    6. 作成したスペーサと本体を開き戸に固定します。
      左が「開錠」、右が「施錠」の状態です。この位置でかんぬきの受け側のいちを調整し、建物側に取り付けます。
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      図15.鍵本体の固定
    8. 受け側を固定した状態です。サムターンを回したときにスムーズに施錠・解錠できるよう、スペーサーの厚さも含め、慎重に位置決めして付属の木ネジで固定します。

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      図16.かんぬきの受け側

 

まとめ

取付が完了したのが図17です。

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図17.取付完了

 

次回は、スマートキーと取り付けていきます。